こんな方におすすめ
- リハビリでエコーを使ってみたい
- エコー初心者向けの教科書が知りたい
- リハビリに実践しやすい教科書が知りたい
最近理学療法士もエコーを使ってリハビリしていると聞きますよね。
「職場にエコー教えてくれる人もいない環境で、独学で治療に活かせるのかな...」と、私も不安でした。
でも大丈夫です!
これから紹介する教科書で勉強すれば、必ずエコーを使った治療ができるようになります。
「基礎から学びたい」「手技の幅を広げたい」「すぐに治療に活かしたい」など、あなたの目的に合った1冊がきっと見つかります。
そこで今回は、私が実際に使って「分かりやすい!」と感じた、おすすめのエコーの教科書を厳選してご紹介します。
一緒にエコーをマスターして、臨床をもっと楽しく、充実させませんか?
タップできる目次
なぜ今、理学療法士にエコーが必要なのか?リハビリでエコーを使うメリット7選
近年、理学療法士の皆さんの間で、エコーを活用する動きが活発になっています。
そこには、患者さんにとって、そして理学療法士自身にとって、たくさんのメリットがあるからなんです。
体の中の状態がリアルタイムで見える!
レントゲン・MRIのように、体の内部を画像で見ることができます。
加えて、レントゲン・MRIと違って、筋肉や神経が動いている様子を動画で見ることができるので、より詳しい情報が得られます。
骨格筋の触察技術が向上する!
触診を教わっても、実際に正確に触れられているのか不安になりますよね。
エコーでみると自分の指圧がどこまで伝わっているか実際に見ながら確認することができます。
圧痛検査も治療技術も格段に向上していきます。
痛みの原因が、詳細に考察できる!
実際に関節を動かして、再現痛をとりながら、身体内部の状態を見ることができます。
筋・腱・靭帯・神経と圧痛やストレステストを可視化することでより正確な痛みについての考察を行えるようになります。
また血流増加反応も確認することができるため、炎症期に適さない運動療法を行うこともなくなります。
とはいえ、エコーで炎症反応がすべてわかるわけではありません。また、操作技術にもかなり左右されます。
理学療法士が診断をしないように注意しましょう。
治療の効果をその場で確認できる!
介入の効果を、その場で確認することができます。運動療法や徒手治療を行った後に、筋肉の弾性が変化したか、神経の滑走性がに改善したか等、すぐに確認することができます。
患者さんに分かりやすく説明できる!
エコーの画像は、患者さんにも分かりやすく説明できます。
「あなたの筋肉は、このように動いていますよ」「リハビリによって、こんなに筋肉が柔らかくなりましたね」と、視覚的に説明することで、患者さんの理解度や治療への意欲を高めることができます。
患者さんとの信頼関係が構築できる!
エコーを患者さんと確認しながらリハビリを行うことで「しっかりと診てもらっている」という実感を与えることができます。
また正確な圧刺激を、必要最低限の強さで加えることができます。
治療中に必要以上に痛みを出さないことでリハビリに対する嫌悪感を取り除くことができます。
医師と連携した治療ができる!
エコーという医師との共通言語を使うことにより、連携を密にして正確な治療を行うことができます。
医師との連携により、徒手では出せない身体内部の変化を出すことが期待できます。
理学療法士に適したエコーの教科書を選ぶ3つのポイント
いざエコーの勉強を始めようと思っても、「どの教科書を選べばいいんだろう…」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?
自分に合った教科書を選ぶことは、エコーをスムーズに、そして楽しく学ぶための第一歩です。
エコー初心者の方、特に臨床で活かしたいと考えている方は、以下の3つのポイントを参考に教科書を選んでみましょう。
著者・編集者が理学療法士のものを選ぶ
エコーの教科書はたくさんありますが、理学療法士が執筆・編集しているものを選ぶのがおすすめです。
なぜなら、私たち理学療法士が臨床でエコーを使う上で本当に必要な情報が分かりやすくまとめられているからです。
プローブを実際に当てているイラスト・写真が記載しているものを選ぶ
エコーのプローブ(機械)を体に当てる角度や位置によって、得られる画像が全く異なります。
そのため、プローブの当て方をイラストや写真で詳しく解説している教科書を選ぶと、実践的なスキルを習得できます。
動画付きのものを選ぶ
エコーの画像は解剖学の知識がある程度合っても、断層をイメージするのが難しく挫折しやすいです。
動画付きの教科書であれば、プローブの動かし方や画像の見方を、わかりやすく学ぶことができます。
次の章では、これらのポイントを満たした、私が実際に使ってみて「分かりやすい!」と感じた、おすすめのエコー教科書を5冊ご紹介します。
実際に使ってみてよかった!おすすめエコー教科書5選
ここからは、私が実際に使ってみて「分かりやすい!」と感じた、おすすめの教科書を5冊ご紹介します。
まずはこれ!理学療法士のためのエコー入門書【みえる!エコーガイド下運動療法】
編集:工藤慎太郎
治療手技より評価にフォーカスしている教科書です。筋・腱・神経の見え方など基本的な内容と、症例別に評価するポイントを記載しているため、これからエコーを学ぶ方にピッタリの1冊です。
特徴
- エコーガイド下運動療法(RUSI)の基礎知識から、具体的な実践方法まで、イラストや写真を豊富に使って分かりやすく解説されています。
- 各関節や筋肉の解剖、プローブの当て方、エコー画像の見方を、丁寧に説明されています。
- 理学療法士が執筆しているので、臨床現場で役立つ情報が満載です。
注意点:
- 動画は載っていないので、動作中の評価を学びたい方には他の教科書をおすすめします。
- 症例数が限られているため、幅広い症例に対応できるようになるには、他の教材も併用する必要があるでしょう。
エコーガイド下運動療法の一歩を踏み出したい方はぜひ手に取ってみてください
治療に活かすならこれ!【運動学×解剖学×エコー 関節機能障害を「治す!」理学療法のトリセツ】
著者:工藤慎太郎、荒川高光
関節機能障害に対するアプローチ方法を、運動学、解剖学、エコーの3つの視点から徹底的に解説した、まさに「トリセツ」と呼ぶにふさわしい一冊です。治療にフォーカスした内容なので、学んだ知識をすぐに実践に活かせます。
特徴
- 関節機能障害のメカニズムを、運動学と解剖学に基づいて分かりやすく解説しています。
- 関節周囲の疎性結合組織に着目した、新しい治療アプローチを紹介しています。
- QRコードを読み込むことで、治療手技の動画を見ることができます。
注意点:
- プローブを当てる位置の写真はないため、見本と同じ画像を描出するのにはある程度知識と技術が必要になります。
エコーを使った治療手技を増やしたい方、新しい治療アプローチに興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください。
最新の治療が載っています!【理学療法超音波学 vol.1 運動器理学療法の可視化に挑戦】
監修:日本運動器理学療法超音波フォーラム 編集代表:小柳 磨毅
第3回日本運動器理学療法超音波フォーラム(2022年3月)の講演を基に編集した教科書なので最先端の治療が多く取り上げられています。
- 日本運動器理学療法超音波フォーラムが監修しており、現在の理学療法士トップランナーの先生方の考案する治療が17個紹介されています。
- 実際の講演を基にまとめられているため、エコーを用いたリハビリの評価~治療の流れを学習することができます
- QRコードを読み込むとWEB動画で評価・治療の様子を学習することができます
エコーの基礎から応用まで、幅広い知識を身につけたい方、運動器疾患のリハビリテーションにエコーを活用したい方は、ぜひ手に取ってみてください。
注意点:
- 各講演をまとめた書籍なので、エコーガイド下理学療法の基礎を体系的に学ぶことには向いてません
既にエコーガイド下でリハビリを行っていて、今より∔α治療の幅を増やしたい方におすすめする1冊です。
エコーについて全般的に学べます!【臨床整形超音波学】
編集:笹原 潤、宮武 和馬
整形外科領域におけるエコーの活用について、基礎から応用まで網羅的に解説した、まさに「決定版」と呼ぶにふさわしい一冊です。
特徴:
- 整形外科医と理学療法士が共同で執筆しており、どのように医師とタッグを組んで治療を行うかが学べます
- エコーの基礎知識、各関節の解剖とエコー画像の見方、疾患別のエコー所見、さらにはエコーガイド下インターベンションまで、幅広い内容を網羅しています
- プローブの当て方の写真もわかりやすく記載されており、QRコードを読み込むとWEB動画を見ることができます
注意点:
- 基本は医師に向けての書籍であり、注射や診断についての内容が多いです
医師とタッグを組んで治療を行っていきたい方におすすめです!
末梢神経につ注目する!【うまくいく!超音波でさがす末梢神経 100%効く四肢伝達麻酔のために】
監修:田中 康二
超音波ガイド下で末梢神経を近位から遠位まで追う方法を学べます。
特徴:
- 超音波ガイド下での末梢神経ブロックに必要な知識と技術が、豊富なイラストや写真、そして動画で分かりやすく解説されています。
- 末梢神経を近位から遠位までエコーで追う方法を学べます。
- 付属のQRコードからアクセスできる動画で、実際のプローブ操作や神経の描出の様子を確認できます。
注意点:
- 本書は主に末梢神経ブロックを目的とした内容ですので、リハビリについては記載されていません
末梢神経の描出を極めたい方におすすめです!
エコーを使う時の注意点
エコーは、私たち理学療法士にとって頼もしい味方ですが、使い方を誤ると患者さんに誤解を与えたり、治療に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
ここでは、エコーを使う上で特に注意すべきポイントを2つご紹介します。
診断は医師の仕事!エコーはあくまで評価のツール
エコーで体の中を詳しく見ることができるからといって、私たち理学療法士が「診断」を下してはいけません。
診断は医師の専門的な知識と経験に基づいて行われるものです。私たち理学療法士の役割は、エコーを使って狙った組織に正確に治療を行うことです。
例えば、エコーで筋肉が損傷しているようにカルテに「筋損傷」と記載したり患者さんに伝えないように注意をしましょう。
理学療法士の役割を意識して治療を行うことが、医師とタッグを組む上で重要になります
エコーは万能ではない!技術と知識が必要
エコーは、使い方によって得られる情報が大きく変わります。同じ部位をエコーで見ても、プローブの角度や当て方によって、見え方が全く異なることがあります。そのため、正しいエコーの技術を身につけることが重要です。
例えば、エコーで筋肉が太く見えたとしても、それが本当に筋肉の肥大なのか、それとも炎症による腫れなのか、判断するためには、専門的な知識が欠かせません。
エコーはあくまで評価のツールであり、万能ではありません。正しい知識と技術を身につけ、エコーを適切に活用することで、患者さんのために、より良いリハビリテーションを提供できるようになるでしょう。
まとめ:あなたにぴったりのエコー教科書を見つけて、スキルアップしよう!
この記事では、エコーを学びたい、そして臨床で活用したいと考えている理学療法士の皆さんに向けて、おすすめの教科書を5冊ご紹介しました。
こんな方におすすめ!
- エコーの基本から応用まで幅広く学びたい
- すぐにでも臨床で使える実践的な知識を身につけたい
- 筋肉や神経の評価・治療に特化した知識を深めたい
あなたのレベルや目的に合わせて、最適な一冊を選んでみてください。
エコーを使いこなせるようになれば、患者さんの状態をより深く理解し、より効果的なリハビリテーションを提供できるようになります。
この記事が、あなたのスキルアップの力となれば幸いです。