こんな方におすすめ
- 臨床にでたら勉強ってどうやってやるの?
- このままでいいのか不安
- 理学療法士として早く戦力になりたい
国家試験に合格して、晴れて理学療法士になったものの、臨床の勉強ってどうやるの?と不安になりますよね。
この記事では新人理学療法士が独り立ちできるようになる方法を紹介します。
私もこの方法を実践して、リハ科での売上1位を獲得することができました。
※売上が全てではありませんが、独り立ちの一つの指標としてピックアップしました。
スキルアップする方法がわかれば、あとは勉強を積み重ねていくだけです。
おすすめのサブスクや勉強時間の作り方も紹介していきます。勉強方法を確立して、着実にスキルアップをしていきましょう。
理学療法士を目指している学生さんの勉強については、こちらにまとめてあります。読んでみてください。
タップできる目次
理学療法士が勉強する重要性は?
重要なのはわかるけど、なんでなの?
勉強をするにあたって、「なぜ重要なのか」を押さえておくことはモチベーションを維持することに効果的です。
以下の3点を抑えておきましょう。
ココがポイント
- 医療は日々進歩しているため
- キャリアアップのため
- 治療の幅を広げるため
医療は日々進歩しているため
医療は完成された分野ではないため、日々の情報のアップデートが必要になります。そのため、AIが発達しても医療が完成しない限り、理学療法士という職業はAIに代替されないと予想されています。
また近年はエコーの発達によりリハビリでも使用されるようになってきました。
評価・治療の見える化により徒手療法の革命が起こりました
最新治療を取り入れていかなければ、徐々にセラピストとしての技術が評価されなくなってしまいます。医療全体が前進しているため、理学療法士として停滞していれば、後退していることになります。
キャリアアップのため
勉強して、様々な知識と技術を身につけて行くことはキャリアアップに直結します。知識が積み重なっていくことにより、後輩指導やセミナー開催など行える業務が増えていきます。その付加価値が評価されキャリアアップに繋がっていくのです。
転職でも年収600万円の求人の多くは管理職経験があることが条件です
日々知識を積み重ねていくことが管理職への階段を登ることに繋がります。
治療の幅を広げるため
勉強をしていないと、患者さんの症状を自分の知識の中だけで解決しようとしてしまいます。
人間には利用可能バイアスといって、自分にとって思い出しやすい、または利用しやすい情報を過大評価し、それに基づいて判断を下す傾向があります。
全ての患者さんの症状が、自分の頭の中だけで解決できるでしょうか。理学療法士のトップランナーでも厳しいはずです。
日々新しい知識に触れることで、様々な症状に対応できるようになります。
【新人理学療法士の勉強方法】3ステップです
わからないこと多すぎて、どこをどうやって勉強するのかわからない!
次の優先順位で勉強するのがおすすめです。
新人PT勉強の進め方
- 担当症例で仮説検証を繰り返す
- 触診技術を磨く
- 基礎を積み上げる
「臨床で戦力になる」のが目的であれば、この方法を実践していけば間違いないです。優先順位はつけていますが、1と2は同時進行で行っていきましょう。
担当症例で仮説検証を繰り返す
入職当初は1日の担当人数は少なく設定されます。1年をかけてフル稼働(週108単位)を目指していく場合が多いです。
先輩達に比べて、技術と知識が劣るのは当たり前ですが、新人PTは1人の患者さんに多くの時間を使えることが武器です。
カルテはSOAP形式での記載が一般的です。情報共有だけでなく、自己学習の一環として取り組むことで確実に実力がついていきます。
この過程が理学療法士のアイデンティティのようなものです。
もちろんレアな症例に出会うこともありますが、日々出会う症例は似たようなパターンのものが多く、他の症例にも応用しやすいです。
触診技術を磨く
症例以外の最初の学習は、触診をするべきです
触診の技術がないといくら正しく考えようとしても、正しい評価・正しい治療が行えていないため、全く意味がなくなってしまうからです。
触診学習のおすすめの方法は、先輩PTに直接教えてもらうことです。教科書である程度知識を深めて、自分で練習をしてからフィードバックを行ってもらいましょう。
エコーがあれば、実際に描出しながらフィードバックするのが最も効果的です。
職場にフィードバックできる先輩がいないケースもあります。その場合は、体表解剖学研究会が主催するセミナーがあります。
おすすめの書籍は、「骨格筋の形と触察法」です。実際のご遺体の写真もあるので、非常にわかりやすいです。また、筋の起始・停止に関しても〜に付着が〜%のように個体差も書いてあります。
基礎を積み上げる
担当症例の学習と触診技術が習得できてきたら、知識の幅を広げていきます。
新人理学療法士におすすめする方法は、リハデミーというオンライン学習プラットフォームで、体系的な知識を学ぶことです。
ココがおすすめ
- 基礎講座から体系的に学べる
- スマホでいつでもどこでも学べる
- 海外論文の日本語要約が読める
施設によっては新人教育プログラムがあるので、その場合はそちらを優先しましょう。
【新人理学療法士の勉強方法】モチベーションを継続するコツは?
定年退職が65歳で、理学療法士として働き続ける場合、40年以上勉強を続けることになります。
そんなに勉強続けられるかな、、、
そこでモチベーションを継続するコツを紹介します。
記録をとる
記録をとることで継続がしやすくなります。
勉強に加えて、記録もやらないといけないのかよ。と思うかもしれませんが、非常に有効な方法なんです。
ココがおすすめ
- 記録した行動は次第に増加する
- 好不調があるものだと気がつき、一度サボってもやり直せる
- 累積時間を見ると自信がつく
スタディプラスやToggl Trackなどのアプリを利用すると、簡単に記録が取れます。
アウトプットを行う
アウトプットすることは、モチベーションの維持につながります。
けど、恥ずかしいからやりたくないな、、、
わかります。理解していないことを指摘されるのは気持ちのいいことではありませんよね。
しかしアウトプットをすることで、自分の理解が浅いところに気がつけます。そうすると、「ここってどういうこと?」という風に能動的な学習になります。
能動的な学習を行うことは、モチベーション維持の他に以下のようなメリットがあります。
メリット
- 理解が深まる
- 記憶力が向上する
- 批判的思考力が身に付く
アウトプットすることで一番成長するのは、聞いている人ではなく、間違いなくあなたです。
勇気を出してアウトプットしてみましょう!
独学大全を読む
継続に自信がない方には読書猿さんの著書「独学大全」を是非とも読んでいただきたいです。独学をするための考え方やテクニックが書かれており、モチベーション向上間違いなしです。
しかし、かなり分厚い本ですので、ほとんどの人が躊躇してしまいます。実際は様々な技法を数多く取り上げているので、1ページ目から読破しよう!としなくても大丈夫です。独学を継続するための辞書のように使用していただければと思います。
とは言っても「こんな分厚い本は読めないよ」という方に、大事な部分を要約をします。
志の強さは、それを立てた瞬間にではなく、自身の行為や思考を絶えず志に結び直したその繰り返しの中に生じる。
「独学大全」より引用
まずはこの言葉を紹介します。継続する過程が意志を強く育ててくれます。やる気の高さではなく仕組み作りが重要なことが伺えますね。
次に、私も使用している独学を継続するためのテクニックをいくつか紹介していきます。
独学テクニック
- 集中力を維持する「ポモドーロテクニック」
- 重たい腰を蹴っ飛ばす「2ミニッツスターター」
- 独学の現在地を知る「ラーニングログ」
- サボらない仕組み「ゲートキーパー」
- 会えないものを師と仰ぐ「私淑」
もっと知りたい方は、チェックしてみてください。
【新人理学療法士の勉強方法】時間はこうやって作ります
勉強したいけど全然時間がない、、、
理学療法士はリハビリが時間制であるため、その他の業務を残りの時間で行わなければいけません。カルテ・計画書・学生指導などがあると、勉強時間を確保するのは大変です。
勉強時間を作るコツを紹介します。この3つを行えば必ず勉強時間は確保できます。
勉強時間確保の3原則
- 残業をしない
- 朝活をする
- やらないことを決める
残業をしない
気体が空間を満たすように、仕事は与えられた時間いっぱいに広がっていく性質がある。さぼっているわけではないのになぜか終わらないのだ。
グレッグ・マキューン著「エッセンシャル思考」より引用
限りある時間の中で仕事を終わらすという意識が、集中力を高め無駄にしている時間を無くしてくれます。
残業をしたくなる気持ちもわかりますが、定時で終わらせましょう。例え「忙しくても」です。
計画書作成も残業時間で行うよりも、朝にリハビリ開始前の準備時間で行う方が時間を消費せずに済みます。
朝活をする
朝が最も勉強時間を確保しやすいです。仕事が終わり、家に帰ってすべての用事を済ませてから勉強したい気持ちもわかります。
しかし1日の残り時間で勉強をすると、大抵時間は確保できなくなります。
また集中力の観点からも朝活をするのがお勧めです。「仕事終わり疲れた状態の1時間」と「起きてすぐ集中力が高い1時間」は、同じ1時間ではありません。
樺沢紫苑さんの著書「神•時間術」でも朝の記憶のゴールデンタイムを活用することを推奨しています。作業効率の高い時間帯に頭を使うことで、「質の面で」時間を増やすことが紹介されています。
もっと詳しく知りたい方は読んでみてください。
やらないことを決める
え、やりたいことを決めるんじゃなくて??
ビックロック理論と言われる話です。優先順位の低いこと(小さな石)から入れると時間(バケツ内の空間)は足りなくなってしまいます。時間管理ではトレードオフという考え方が重要です。
平等に与えられた24時間で、やりたい事はたくさんあると思います。しかし、全て行うことは不可能です。
優先順位を明確にすることで、「自分は人生でこれを大事だと思っているんだ」と気がつけるため、人生の目的も最適化されていきます。
また、やりたくないことにNOということが重要です。会社の飲み会や、遊びの誘いなど「絶対に行きたいもの」以外は全て断りましょう。
新人だし言いづらいんだよな、、、
最初は抵抗があると思います。しかし、誘いを断る程度では自分の評価は落ちることはないです。
自分の時間を安売りしない意識が重要です。勇気を持ってNOと言ってみましょう!
【新人理学療法士の勉強方法】このサブスクでスキルアップを図ります。
ずっと基礎ばっかりやってていいの?
- 担当症例の疑問を解消する
- 触診技術を磨く
- 基礎知識をつける
これらが一通り行えてきたら、いよいよ自分の専門性を高めていくフェーズに突入します。
もちろん対面セミナーでしか学べないこともたくさんありますが、忙しい中で勉強を行うにはオンライン学習がおすすめです。
隙間時間を上手く活用すると、毎日1〜2時間は確保できますよ
実際に使用したオンライン学習サービスの特徴をまとめていきます。リハノメとリハデミーの比較記事はこちらです。
リハノメ
リハノメは幅広い分野をコスパ良く学びたい方にオススメ
株式会社geneのサービスです。
動画数がとても豊富です。今もどんどん拡充されてます。
リハデミー
それぞれの領域を体系的に学習していきたい方にオススメ
株式会社リハテックリンクスのサービスです。
情報の質にこだわっています。情報の取捨選択をすることがなくなり、 必要な知識を体系的に学ぶことができます。
UGOITA
整形外科を中心に最新の治療を学びたい人にオススメ
コンセプトは、「学ぶ為ではなく挑み続ける為のサブスク」です。コンテンツへの自信を感じますね。
基礎ができていることが前提というイメージです。偏った知識にならないためには注意が必要です。
私は臨床5年目ですが、最近はUGOITAの動画を見ることが多いです。
【新人理学療法士の勉強方法】まとめ
理学療法士として着実にスキルアップしていくための、勉強方法を紹介しました。おさらいをしていきます。
勉強の進め方
- 担当症例で仮説検証を繰り返す
- 触診技術を磨く
- 基礎を積み上げる
学生と違ってテストが無い分、自分で理解できているかを確認する過程が必要になります。院内の勉強会などで積極的にアウトプットをしていくことが成長の近道です。
モチベーション維持できる仕組みを作り、時間管理により勉強時間を確保して、理学療法士としての「独り立ち」を目指していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。